今回の一斉公開はいかがでしたか? 前回の一斉公開デーの記事をまだお読みでない方は、こちらもぜひ読んでみてくださいね(「ここが私の仕事場です」part1 part2 part3)。美しい作品が生まれるふるさとのこと、そして今回のテーマであるアイディアの源を知れば、会場できっと目にする素晴らしい作品たちに込められた作り手の想いをもっと深く知ることができますよ。
アイデアの源は何と言っても糸! ですが、わたしにとってそれよりも重要なのはカラーです。
毎日の繰り返しみたいな生活のなかで、ハッとする瞬間に出くわすことがあります。犬の散歩で、ふと目にする草木や野花もそう。もともと自然はとても身近で、親密なものです。そして表現における、かけがえのないイマジネーションでもあります。これを布に落とし込むことで、自在にかたちを変えて広がる、受け手とのニューストーリーが無限に広がっていくことがたのしみでなりません。こちらの写真は2017新柄「wid flower」へのデッサンと制作風景です。
Keito2階の本棚にある閲覧専用の書籍です。絶版になってしまった本からヒントを得て店頭に並ぶサンプルになるものも! 店舗へお越しの際にはぜひのぞいてみてください。
ステッチドローイングで絵を描くときには、好きな写真家さんの写真を見ながらポージングを考えたり、表情のニュアンスの参考にしています。元々は中学からファッション誌のスタイリングを絵で描いていたのがスタートで、今はそれを刺繍で立体的に描いていくのが楽しいです。
海も凍る白銀の世界。太陽が沈んだ後に広がる青い世界。フィンランドの移りゆく自然はインスピレーションの宝庫です。そして私にとっては、暮らしのささやかなことも大切なインスピレーション。インスピレーションは直接作品に反映されることもあれば、頭の中の倉庫に一度蓄積され、時が経ってからアイディアが湧くこともあります。
旅行で買ったり、お土産にいただいた世界各地の手芸材料や、伝統衣装を眺めていると創作意欲が湧いてきます。
散歩しながら見つけた植物を摘んで来てスケッチしたり、住んでいる豊島の大自然の中からインスピレーションを受けています。
アイディアの源は、「つぶつぶ」です! 小さな一粒でも集まれば大きく大きく強くなる。物質も時間も点がたくさん集まり繋がりできていると思うと、とても壮大で、想像が広がって行きます。ミズイロトシロのアクセサリーもたくさんの粒があつまりできています。ミズイロトシロのロゴマークも粒でできてますよ。
アイデアの源はいろいろありますが造形のことでいうと、空とか足下に見える色や形は参考にしていると思います。東京にいる時は建築物に興味津々でしたが、今は自然のものに影響されているような気がします。
美術館によく足を運び、幅広いジャンルからインスピレーションを受け作品作りに生かしています。美術館に行くと必ずポストカードを買って集めています。
私はモノを作る時に思う事は、2つのパターンがあるようです。
ひとつ目は生活道具を作る時には誰かのニーズが先にあって作り始めるパターンです。心地よく使ってくれるために考えるデザインであらねばならないと思います。使うときにその道具と扱う人が絵になるようなモノを作りたいと思います。
ふたつ目は、目に映る風景の中の人工物が静かに朽ち果てていく姿に出会う。例えば小さな港を散歩しているときによく目にする古い船。その船体の塗装が剥げて錆びた部分、スクリューにこびりついたフジツボ、錆 び付いたイカリや漁具。岡には古い同じ形をした網納屋が整列している。幾年も潮風にさらされて剥がれた塗装を何度も塗り重ねられ遂には一枚の抽象画のように存在感を得た錆鉄の扉。
沖に目をやると穏やかな瀬戸内海の緑青の中に白い古びた灯台が佇んでいる。雨の日も風の日も嵐の日も穏やかな日も沖を行く船の道しるべとして毎日独り信号を発し続けている。彼もまた何十年という月日がもたらした経年変化というドレスを纏って佇んでいる。
そんな風景に出会った時に私はモノづくりの重要な栄養として身と心に沁み込ませるようにしています。
kunkun
日常のす きま。モノづくりしていないときの生活の中で、変なこと、面白いことを考えます。
私のものづくりの背景は日々の様々な刺激と感動です。
植物、動物、岐阜の空や山並みなどの自然です。yatraのテキスタイルを見て、自然のなかや、山の上、広い空の下にいるような、穏やかで自由でのびのびした気持ちになってもらえたら嬉しいです。
編み物や織物の図案は、こぎん刺しの図案に通じるところがあり、よく眺めたりします。色使いも、自分ではなかなか選ばない組み合わせに出会ったり、いつも新鮮な発想をもらっています。
布や紙などの素材そのもの、民族衣装やクラフト写真集、絵本、愛しい民芸品たちなど。