布博会場に並ぶ作品がどんな工程を経て生み出されているのか、知りたくないですか? 今回は14組の仕事道具をご紹介します。同じテキスタイルや刺繍でも、違う工程を経て生まれた作品は、唯一無二の個性をひきだします。なかなか見ることができない、作り手たちの大切な仕事道具をご覧ください。
MOKUFUYOUのデザインを考える上での必須アイテム「万年筆」。滲んだ花弁の雰囲気を出すのにぴったり。使えばつかうほど手や、作家のクセに馴染んでくれる、まさに相棒です。
素朴で力強い模様ならクレヨン、柔らかで透明感のある模様は水彩絵の具、シャープな線の模様なら紙を切る。点と線模様製作所のテキスタイルは、画材が持つ色や質感を活かした唯一無二の表情をみせます。
台湾の靴下ブランド「+10.テンモア」。その制作過程はデザイナーと職人の二人三脚。ユーモアあふれる靴下には、作り手の情熱が編みこまれています。
いつも使用しているレース針と、色鮮やかに染めた糸、はさみと工具、デザインを考えるのに欠かせないノート。そして何よりも欠かせないのは、作家さんの手です!
小さいサイズのまち針、そして、先の細さが違うピンセットは、綿詰めのために使うもの。毎日使う針山は、唐子タイプがお気に入りでこれは2代目だそう。
糸と糸の間を通り抜けていく「シャトル」。緯糸を巻いたボビンを中に通し、シャトルが左右を行き来することで布に仕上がっていきます。
・nuit
布花作家と刺繍作家からなるユニット「nuit」さんの仕事道具をご紹介。上は、刺繍のための道具。下は布花を作るための道具です。
模様作りはまず紙と鉛筆から。気に入った線が描けたらパソコンに取り込んで色とバランスを調整していくそうです。
型染めで使う防染糊は、季節や天気、湿度をみて堅さや塩の量を調節しているそう。ヘラは、kata kata・高井知絵さんのお父さま(型染め作家)の手づくりです。瓶はボールでも代用出来るそうですが、ずっしりと重たい焼き物の瓶は、糊を混ぜる時に安定するのだとか。
H/A/R/V/E/S/Tさんが図案を描く際、素材として最も使うのが水彩絵の具。あらかじめ好きな色をパレットに固めておき、水で溶き、色を混ぜながら使います。
最近は、ほぼ日手帳のマス目を使って生地の柄おこしを行っているそう。色んな糸見本帳を見たり、糸を切って貼ったりして、想像を膨らまします。
パーツに分けて描くことが多いため、大きなライトボックスは必須アイテム。絵の具やパレットは美大受験時代に揃えたものをずっと使っているそうです。
ミズイロトシロさんの独特の透明感は針山にも。偶然できた糸の色の組み合わせを見るのが、仕事終わりのささやかな楽しみだそう。
布を染める捺染台と、手前はシルクスクリーンの版。そして捺染道具のスキージです。